地球温暖化のシミュレーション

IPCCとかの地球温暖化シミュレーションをやっている日本人研究者の発表会みたいですね。
本文中にでてくるGCMってものは大気大循環モデルってもので 簡単に言うと全球気候モデルです。いろんな大気・海洋・陸面の運動方程式を解くモデル。デイアフタートゥモローで主人公が使っていたモデルもこのモデルの亜種(?そのものと言えばそのもの)に当たります。

地球温暖化の防止にはまず正確な予測から - 最新シミュレーション成果が公開
http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2004/08/07/ondan/
東京・渋谷区の国際連合大学にて4日、海洋研究開発機構の一般向け講演「大気の変貌と地球温暖化 -京都議定書の先にあるもの-」が開催された。地球温暖化については、現在、世界的な課題となっていることはご存じの通り。国際政治的には、1997年12月、京都にて温室効果ガスの削減目標を定めた「京都議定書」が採択されているが、今回の講演では、地球シミュレータなどを使用した最新の研究成果について紹介された。
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1つ目は、温暖化の原因は「化石燃料を燃やしたことなどによる大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の増加」であることは間違いないが、排出されたCO2がすべて大気に蓄積されるわけではなく、増加分の半分程度は森林や海など、自然環境に吸収されているということ。そのため、こういったファクタについての研究も、温暖化予測においては重要になってくる。
2つ目は、温暖化の原因となる物質はCO2だけではないということ。温室効果ガスにはCO2のほか、メタン、フロン、オゾンなど様々あり、CO2の効果は全体の約半分程度。また、亜硫酸ガス(SO2)から生じる微小粒子(エアロゾル)は日光を反射するので逆に冷却効果があり、こういったものをトータルで考える必要がある。
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まずは、CO2濃度が現在の2倍になったときの地表面温度上昇のシミュレーション。全体的に気温が上昇していることが分かるが、その増加分には地域的なムラがあり、北大西洋上には温度が下がるポイントまで存在している。これは暖流が弱まることが原因とのことで、欧州では大きな問題になっているという。
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台風の発生予測モデル。これは10年分のシミュレーションを行うもので、実際の観測では79.2個/年だったところ、同じ期間での計算結果は82.7個/年とほぼ同じ精度。このモデルを使い、21世紀末(CO2濃度が現在の2倍)の予測を行ったところ、発生数自体は65.8個/年と減少した。しかし、最大級の台風はむしろ強まる可能性があるとのこと
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また陸の生態系は、有機物という形で大量のCO2を貯留しているという働きもある。産業革命以前、植物と土壌を合わせた炭素貯留量は大気の3倍以上となる2,000Gt(ギガトン)で、呼吸・光合成により平衡状態を保っていた。海洋の貯留量はさらに多く38,400Gtで、こちらも放出・溶解が平衡状態となっていた。
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海洋は、人間活動によって大気中に放出されたCO2の約30%を吸収しているという。また、大気中の60倍ほどの量のCO2が現在海洋に溶け込んでいるという
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一般的に、温暖化の原因として良く知られている物質はCO2だが、それ以外にもメタン・亜酸化窒素(N2O)・ハイドロフルオカーボン(HFC)などがあり、CO2とともに京都議定書での削減対象となっている。また、オゾンや黒いエアロゾルなど、それらより比較的寿命の短い物質による温室効果も分かってきている。寿命が短いとはいえその影響は大きく、より局地的な影響をもたらすという特徴を持っている。
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