全日空の事故と日本航空業界から見た社史

同期とメッセで航空機事故の話をしていた時に雫石事故の話題が挙がる.
ANAの今のJALに比べて高いバイタリティーは社史を見なければわからない.その最たるものがこの雫石事故であると思う.

雫石論文
http://www004.upp.so-net.ne.jp/civil_aviation/ronbun/sizukuisi/sizuku5.htm#3
国の国策により差別を受け続け、いつも日本航空に溝を開けられ、全社を挙げての努力の結果、やっとその後ろ姿を、はるか彼方にであれ捉えることができたと思えば、今度は、国の機関である調査団員の保身のために、パイロットミスを頻繁に起こす航空会社の烙印を押され、業績は落ち込み悶々とした日々を送らねばならなくなった。その後1年間の社員の努力で、業績は回復、大阪万博など航空需要増加の追い風を受けてやっと会社が立ち直ったと思ったところに起こったのが本件事故である。いつも国に成長を阻害されるのが会社創設以来事故当時までの全日空の宿命であり、これまで忍耐を重ねてきた全日空も本件事故により、あまりの仕打ちにやむにやまれず、本件訴訟に及んだものである。 [...]
こうした歴史の中で築かれてきた全日空の反骨精神は、今日でも全日空の社風に息づき、また、それ以前に本判例全日空の主張の中にも生きているのである。 [...]
全日空にとって雫石事故は悲劇であったことに変わりはないが、その苦い経験から、相手が例え国であっても、黒いものを黒といい、白いものを白といえる正義感、告発する勇気を得たのである。そして本件事故やそれ以前の事故の結果を厳粛に受け止め、空の安全に努めたからこそ、今日の世界の翼としての全日空が存在するのである。そういう意味において本件事故とその経過は、現在の全日空の礎を為す重要なものといえ、この理解なくして、今日の全日空とその内面に秘められた力を理解することは到底不可能なのである。

良い事がかいてあった♪